トラベルルールをわかりやすく解説!仮想通貨送金時に回避する方法

トラベルルールってそもそもなに?
トラベルルールで困ることは?
トラベルルールを回避するには?

しんじ

なんだか良く分からない、トラベルルールを丁寧に解説します

仮想通貨取引所のアカウントを複数持っている方なら

「A取引所で安く買って、B取引所で高く売ろう」

そんなことが、できてしまいます。ただし、これには取引所間の送金ルールを知っておく必要があります。

この送金ルールがトラベルルールなのです。

この記事でわかること
  • トラベルルールとは、仮想通貨を利用した犯罪を防ぐために送金者と受取人を明確にするルール
  • トラベルルールがあることでアービトラージなど速さが必要な取引で困る
  • トラベルルールを回避するには「メタマスクを使う」「共通のシステムを使う」などがある

この記事は投資収益の保証または特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではありません。最終的な投資や契約の決定はご自身でご判断ください。

目次

トラベルルールとは?

トラベルルールは、利用者の依頼を受けて仮想通貨の送付を行う仮想通貨交換業者は、送付依頼人と受取人に関する個人情報を、送付先となる受取人側の仮想通貨業者に通知しなければならない、ルールです。

この規制は、送金の透明性を高め、マネーロンダリングやテロ資金調達などの犯罪行為を防ぐことを目的としています。金融行為の正確な追跡を可能にし、不正な資金流れを抑制するために導入されました。

マネーロンダリングやテロ資金調達などの犯罪行為を防ぐことについて

マネーロンダリング対策

マネーロンダリングとは違法に得たお金を、うまいこと隠すことを指します。

よくある例としては、資金を海外の銀行に送金し、複数の国や金融機関を経由して資金の流れを複雑にします。これにより、追跡が難しくなります。具体的には1,000万円の違法な資金を100万円ずつ10口座に分けて預け入れるなどです。

これを防ぐために、誰から誰にお金が動いたかを明確にするトラベルルールが必要になるのです。

テロ資金調達対策

テロ活動に使う、武器や移動手段の資金を作らせないことが大事です。

これにもトラベルルールの送金者と受取人の情報が明確になっていることが有効です。

お金の流れを透明化することで犯罪を防ぎます。

TRUST(トラスト)とSygna(シグナ)

TRUSTとSygnaは、暗号資産取引所がトラベルルールを守るために使うシステムです。

これらを使うことで、仮想通貨取引所は安全かつユーザーのプライバシーを守りながら仮想通貨の移動を行っています。

ただし、デメリットもあります。

トラベルルールがあることで困ること

様々な犯罪にお金が絡むことは多々あり、誰から誰にお金が流れたかを明確にすることはとても大事です。

一方で、一般ユーザーからしたらこのトラベルルールのおかげで困ることもあります。

TRUST(トラスト)とSygna(シグナ)では送金ができない

この画像のようにTRUSTを使っている取引所とSygnaを使っている取引所では互換性がなく、送金ができないです。

コインチェック⇔GMOコインでは仮想通貨の送金ができません。

アービトラージ取引で不利になる

アービトラージ取引とは仮想通貨取引所ごとの価格差を利用して利益を得る手法です。

アービトラージ取引で肝心なことは取引のスピードです。

プログラミングで差が生まれた瞬間に取引しますが、送金に時間がかかれば損を剃る可能性もあります。

また、そもそも思い描いていた取引所同士で送金が行えないこともあります。

主要な暗号資産サービスにおけるトラベルルールの適用

取引所トラベルルール対応状況対応方法備考
コインチェック対応済みTRUSTを使用
ビットフライヤー対応済みTRUSTを使用
GMOコイン対応済みSygnaを使用
SBI VCトレード対応済みSygnaを使用
bitbank対応済みSygnaを使用
BITPOINT対応済みTRUSTとSygna両方使用
ビットトレード対応済みSygnaを使用
LINE BITMAX【PR】対応済みSygnaを使用
Zaif対応済みSygnaを使用
MetaMask非対応プライベートウォレットトラベルルールの対象外

その他の取引所でTRUSTを導入している暗号資産サービス

  1. AMBER
  2. anchoragedigital
  3. bake
  4. Balance
  5. BGE
  6. BINANCE.US
  7. Bitget
  8. BitGo
  9. BitMEX
  10. BITREX
  11. black.com crypto
  12. BlocPal
  13. Bullish
  14. CboeDigital
  15. CEX.IO
  16. CIRCLE
  17. coinbase
  18. coinhako
  19. coinpass
  20. coinsmart
  21. coinsquare
  22. Fidelity DIGITAL ASSETS
  23. GEMINI
  24. Kraken
  25. LiteBit
  26. LTP
  27. LUNO
  28. NETCOINS
  29. nexo
  30. OKX Bahamas
  31. PAXOS
  32. PayPal
  33. Paysafe
  34. Phemex
  35. Revolut
  36. Robinhood
  37. sFOX
  38. Shakepay
  39. Skrill
  40. Solarisbank
  41. standard
  42. SuisseBase
  43. SwissBorg
  44. Taurus
  45. Trade Station CRYPTO

Travel Rule Universal Solution Technology

その他の取引所でSygnaを導入している暗号資産サービス

  1. RakutenWallet
  2. LINE Xenesis
  3. BitTrade
  4. BTC BOX
  5. OkCoin Japan
  6. Coinbook
  7. CoinTrade
  8. Tokyo Hash
  9. CoinBest
  10. BitPro
  11. Coincola
  12. Coin Estate
  13. DigiFinex
  14. Gaia
  15. Hako Technologies
  16. Independent Reserve
  17. Maicoin
  18. Onchain Custodian
  19. ACA Exchange
  20. Antalpha
  21. Apifiny
  22. Ascendex
  23. Beeblock
  24. BLOCKOVILLE
  25. FIRSTBLOCK
  26. zebpay
  27. Karstfin
  28. MEXC Global
  29. Nogle
  30. PayGate
  31. Pionex
  32. PundiX

Sygna Alliance Members – Sygna

トラベルルールの回避方法

国内かつ、同じシステムを使っている取引所で送金しあう

トラベルルールの制約を回避する方法として、国内で同じトラベルルール対応システムを導入している取引所間でのみ送金を行うことが挙げられます。例えば、TRUSTシステムを採用しているコインチェックとビットフライヤーの間では、情報通知の互換性があるためスムーズに送金が可能です。この方法を利用することで、トラベルルールに対応しつつ、取引の利便性を維持することができます。

通知対象国以外の海外取引所をつかう

  • Bybit
  • OKX
  • KuCoin
  • Huobi Global

メタマスクに送金する

メタマスクは現状ではトラベルルールの対象外です。

メタマスクは主に非カストディアルウォレットであり、ユーザーが自身の秘密鍵を管理するため、トラベルルールが適用される対象のVASPs(Virtual Asset Service Providers)には該当ないからです。

コールドウォレットを使う

Ledger Nanoシリーズ

高いセキュリティと使いやすさが特徴。

Ledger Nanoシリーズは、フランスのLedger社が開発するハードウェアウォレットです。高いセキュリティと使いやすさで、世界で最も人気のあるコールドウォレットの一つです。

Trezorシリーズ

セキュリティに重点を置いたウォレット。

Trezorシリーズは、チェコのSatoshiLabs社が開発するハードウェアウォレットです。高いセキュリティとオープンソースのファームウェアで、世界で最も信頼されているコールドウォレットの一つです。

KeepKey

シンプルなデザインと使いやすさが特徴。

KeepKeyシリーズは、カナダのShapeShift社が開発するハードウェアウォレットです。洗練されたデザインと使いやすさで、初心者から上級者まで幅広いユーザーにおすすめです。

トラベルルールの問題点

メタマスクとトラベルルール

メタマスクのようなプライベートウォレットはトラベルルールの対象外であり、取引所間の送金に制約が生じます。

具体例として、メタマスクからコインチェックやビットフライヤーへ送金する際、送金先取引所でトラベルルールに対応するための追加情報が求められることがあります。このため、利用者はウォレットと取引所間の送金が複雑化し、迅速な取引が難しくなる場合があります。

法規制の動向と予測

仮想通貨に関する法規制は今後も厳格化し、より詳細な報告義務が課される可能性があります。

マネーロンダリングやテロ資金調達のリスクを軽減するため、各国の政府や国際機関が仮想通貨取引の透明性を高めるための規制を強化しているからです。

仮想通貨 トラベルルールに関するよくある質問

トラベルルールを回避する方法は?

分散型取引所(DEX)を利用する:中央の管理者がいないため、報告義務がない。
個人間取引(P2P):直接取引でトラベルルールを避ける。
小額取引に分散する:大口取引よりも目立ちにくい。

仮想通貨の税金はバレないって本当?

仮想通貨取引はブロックチェーン上で記録されており、すべての取引が公開されています。税務当局は必要に応じてこれらの記録を調査することができます。

また、これまで説明してきたようにトラベルルールによって、別の仮想通貨取引所へ分散して保管しても、記録が残るためバレます。

トラベルルールに対応している取引所は?

日本国内の仮想通貨取引所では、「TRUST」か「Sygna」という技術を使ってトラベルルールに対応しています。

基本的に誰もが知る取引所であれば問題ありません。

しかし、2024年末時点では、この二つの技術に互換性がないため、異なる技術を使っている取引所間での送金はできません。

GTRトラベルルールとは?

GTR(グローバル・トラベルルール)は、国際的な仮想通貨取引所で利用される情報共有システムです。日本国内ではBinance Japanがこれを採用しています。

そのため、Binance Japanから他の国内の仮想通貨取引所への送金や、逆に他の国内取引所からBinance Japanへの送金はできません。

【まとめ】トラベルルール総括

  • トラベルルールとは、仮想通貨を利用した犯罪を防ぐために送金者と受取人を明確にするルール
  • トラベルルールがあることでアービトラージなど速さが必要な取引で困る
  • トラベルルールを回避するには「メタマスクを使う」「共通のシステムを使う」などがある

最後までお読みいただきありがとうございます。

それでは~

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この記事を書いた人

家庭を持つ夫・父親として日々奮闘する上場企業のサラリーマン。
7年間の投資経験を活かして、新たに独学で学びながら仮想通貨投資でも利益を上げています。

【活用している取引所】
Coincheck、bitFlyer、SVI VC Trade、GMOコイン

【保有銘柄】
ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、リップル、ライトコイン、ドージコイン、シバイヌ

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